始めに
おいらのツーリングは目的地を決めるだけで基本的には無計画で、何事にも強行、ハプニングの対応も臨機応変に処理する、ですからツーリングの記録や写真は残さないで、その場限りの感動と出会いを求めて記憶に残った事だけを大切にする。

ツーリングレポートも今から7年前の記憶のみで書いたので数値やデータは信頼性に薄れるので、バイクで旅する楽しさや雰囲気を感じて頂ければそれで良いと思いますので最後までつまらないかも知れませんがおつき合いを宜しくです。

 

七月の梅雨も空けないある日、同僚と旅行の話をしている中でバイクの話になり、おいらはバイクの楽しさや感動を熱ぽく話していると、同僚が突然学生時代に少しだけ250ccのロードバイクに乗っていた頃を思いだしその時に中型、限定解除までチャレンジして見事に合格したがバイクは乗らずに中国語に興味を持ち今日まで中国の歴史や文化、などをに時間を使って来たが、バイクの楽しさが蘇ってきたのか突然今からななはん買いに行くので仕事が終わったら一緒に買いに行こうと言い出した。

今のバイクの知識も無いので車種はおいらに任すと言われて二度びっくり!

ななはんといっても安くはないけど百万円位は出せるかと訪ねると、ええよとの返事、これは本気だと思いその日のうちに仕事帰りにバイクやに行く約束をしたのでしたが、この同僚に一番良いバイクはと考えた結果レプリカタイプは取り回しがきつい、アメリカンはやはりハーレーだろうし国産は改造に金もかかる、乗りやすく長く付き合えるバイクとしてカワサキゼファー750ccを勧めることにした、ネーキッドは飽きが来ないし何せ取り回しがとても楽なのでカワサキゼファー750ccで決まり、色はブラックでホイルは昔ながらのスポークタイプの物が良い、2万ほど高いが値打ちはある。

そして5日ほど通勤に使った所で、ツーリングに誘うと、答え一発行きまっせ!よっしやそうしたらおいらの連れも誘って三人で長野に行こうやーー、それでええやろう・・・・・ええで、行こうで決まり。

連れはヤマハXJ1300でおいらがホンダVTR250、この3台が今度の第3金曜日仕事が終わってから夜の23時に滋賀県大津市の浜大津に集合、行き先は長野県斑尾高原2泊3日旅。

そして約束の時間においらと、同僚と、仏に仕える坊さんの三名と排気量の違うそれぞれ個性のあるバイク3台とで夜の11時に浜大津から瀬田まで行き近江大橋有料道路を渡り琵琶湖を左手に眺める湖岸道路を取りあえず長浜に向かって元気良く、希望に胸踊らせ出発。

七月とはいえ梅雨も空けない夜中の湖岸道路は風が冷たく少し寒いくらいでしたが、道路が貸し切り状態なので少しスピードを上げての走行でしたが、同僚がバイクに乗り始めてまもない事と慣れない夜中の走行で少し遅れ気味になってきたのでスローダウンしてしばらくは景色も見えないので歌でも口ずさみながらの走行を続けて行くうちに無事に長浜郊外に到着しました。

三十分ほど休憩するとここで提案、このまま湖岸道路を走り木之本まで行きそこから余呉湖を通り余呉スキー場をかすめて滋賀県と福井県の県境の峠を越えて今庄まで抜ける国道353号線で行くルートか、長浜市内より米原まで戻り国道21号線より犬山市を越えて川下りで有名な日本ラインに沿って走り、峠越えをして多治見市より国道19号線を信州目指して行くか選択してもらいました、結果今庄コースに決まり、おいらは内心ホッコリと致しました。

見通しの悪い二級国道の峠越えには250がぴったりだから、これでいいのだ!

夜の01時までに木之本に到着してガソリンを補給する事で全員またまた元気良く夜の闇夜に軽快な排気音を響かせて消え行った。

やがて予定より早く木之本に着きガソリン補給しようとスタンドを探し見つけても看板の電気が消されて終了している店ばかり・・・・まいったよーー

おいらの読みが甘かった、北陸自動車道路の木之本インターがあるから24時間スタンドは営業していると思っていたのが見事、ハズレ!仕方がないのでここは缶コーヒーを飲んで対策会議。

プラン1* このまま峠を越えて計画通りに今庄まで走りそこから福井市内まで行きガソリンを給油するか?
プラン2* 安全策で今庄から北陸自動車道路に入り今庄サービスエリヤでガス補給するか?だが・・・・

一番タンクの小さなおいらのバイクが出発前に満タンにしていなかった、こんな事みんなにどうして言えようか、木之本ですべてが狂ったのだ!恥はかきたくないので最年長のおいらがうまく話をたぶらかして?
先はまだ長いこんな所で賭は出来ない、ここは安全確実にプラン2で行こうと誘導尋問で何とかばれずに済んだが、一人苦笑いしてしまった。

無事サービスエリヤで満タンしたが何と後3Lもガソリンが残っていなかった事でこれで本当に良かったが、2名はほとんど半分位しか入らなかった、150KMは余裕で走れる距離だったので悪い事をしたと反省。

スタンドからはひきつづき高速道路を各人、自己責任で福井インターチェンジの料金所出口で再会を約束してフリー走行で行くことにしました。

おいらはアクセル全快、でも150KMまでの世界で楽しんでいたのですがXJ1300はすっ飛んで行ったが750が追いついて来ない、無理はするなと言っていたのでマイペースで楽しんでいると確信して取りあえず福井インターを目指した。

料金数千円を支払いお坊さんと再会し同僚を待っているとしばらくしてやってきましたが、間口一番プラグがカブっているでぇーー。坂になると全然吹かないし、追い越しかけても加速が悪くスピードがなかなかでよらん!

二人ともそんなことはないやろー

まだ新車やし、それはないやろー? と思いながらもまさか排気量が大きいのでトルコンの車みたいにミッションを変えずに6速のままで乗っていたんとちがうやろうなーと聞くと、帰ってきた言葉に唖然、当たり!高速はスピードが出るのでギャーかえんでもええのとちがうのん?

その場でバイクのメカニズムの基本を教えて次の目的地石川県金沢市まで国道8号線を一気に走る事を確認してお行儀良く三台連ねて走って行く事にしました。

ちょうど金沢市手前30km位でしたか、ポツポツと冷たい物が降ってきた時は、やはりこの時期は仕方が無いのか、天気予報も明け方には崩れると言っていたのが当たりよったか、と思いながら走っていると突然スコールのような大雨、日本海側の雨はまだ冷たいので急いで無人のガソリンスタンドに飛び込んだかよく考えるとスタンドには大きな屋根はあったが雨が風にあおられて横殴りでしかも寒い。全員それぞれ自慢の雨具を出して雨支度する。

おいらの合羽はホームセンターなどで売っているビニール製ツーピースでサイズをワンランク大きめの物を使用しているのです、耐水性はピカイチ、真夏でも無い限り蒸れないし、何せ脱着が早い、ブーツカバーの代用にコンビニの袋を足首で太めの輪ゴムで止めておく、これで結構靴は濡れない。
しかし耐久性には問題ありますが短時間でしたら結構ぐぅーー!!
グローブは皮は水分を嫌うので滑り止め付きの軍手を使用する。
首周りにはタオルを巻いておく。

おいらは数年来このパターンです。

他の二人は高級なゴアテックス素材とミクロテックス素材を使用していたがピッタリし過ぎて濡れた身体には脱着しにくそうである、それとやたらとホツクや袖口などベルクロスで止めなければならないので大変だが、着てしまえばカッパの王道を歩んでいる。

全員カッパを着用してしばらく走り、どこかの無人のJRの駅舎を探してそこで仮眠する事にしたのでした。
時間は夜中の03時位で睡魔がそろそろと出てくる時間帯なので。
ここは急がずに寝ることに全員が賛同した。

駅舎はすぐに見つかりバイクを停めて各自が駅舎のベンチに身を任せてしばし夢の時間を過ごして2時間位睡眠をとり、目覚めると薄明かりになっていましたので取りあえず1番列車が来ない内に荷物をまとめて、一番若いお坊さんがコンビニを探して朝食を買ってきてもらうまで駅舎で待つことにしました。

しばらくして朝食を調達して帰って来ましたのでご苦労さんとほめてやりましたら、これも仏の慈悲だと訳のわからん事をつぶやいていました。
そして駅舎にはまだ人影も無いので三人がバイクの話をしながら楽しい朝の時間を過ごし、再び次の目的地富山県、富山市を通り滑川を目指しよいよ日本海の眺めがすばらしい朝日町とまだまだ元気な3名はお世話になった駅舎を後にしました。

そのころは空はすっかりと明るくなって雨もやんでいましたのでハッピーな新たなる旅立ちでした。
やがて我々一行は給油も済ませて軽やかに走り続けて富山市を目指して、朝の爽やかな時間を今過ごしているのだと思うと意味も無く楽しくなり、ついついとオーバースピードの走りになってしまうのは意志の弱さか、バイクの持つ魅力なのかわからないけれども快適。

しばらく国道8号をこんな調子で走っているとやはり試練がやって来た、朝の通勤ラッシュで富山市内は渋滞していてスピードが上がらないし、3台のバイクは道路の左端を1列になり徐行しながら抜いても、抜いても終わることの無い車の列を走り抜けていると突然の雨!
急いでカッパを着る場所を探すが見当たらない、仕方がないのでまだ開店していないお店の駐車場と軒下を借りて素早くカッパを着る、どんくさいななはん君はいつの間にかカッパを着るのが早くなっている事に気づき妙に感動したりしてふたたび全員が雨の市内を車の洪水の中に消えていく。

渋滞は郊外に出ても続いているので雨の中危険な左測走行を止めて公園にバイクを停めてしばらく休憩する事にしました。
公園では車で旅している兄さん達や営業車で移動しているおっちゃん、トラックの運ちゃん達が公園の水道で顔を洗ったり歯を磨いたりトイレで用をたしたりと朝の光景が目に映りました、我々も顔、歯、トイレと思い思いに朝の作業をしてしばらく自販機の缶コーヒーを買ってベンチに座りこれからの計画を相談する事に致しましたが、ほとんど独断でおいらのプランを押しつけるやり方は出発時と変わりありませんが、結果的に今まではうまく行っているので今後もこのパターンで事が運ぶ事を確認したようなミーテングを済まして後はバイク談義で華を咲かせていましたところ、いつの間にか雨も止み力強い太陽が顔を覗かしてくれたので設備の良い公園を後に少し日差しが熱い国道8号線を魚の美味しい魚津、すいかの滑川、そして朝日に入る頃には十時過ぎでしたが朝日を過ぎると道路は日本海すれすれに走り、トンネルを数多く抜けるコースで食事場所がほとんど無いので少し早い昼飯を取ることにしました。
もちろん朝日に来たならば、たら汁定食で決まり。
国道筋には大小数多くのたら汁の看板が目につきますが、我々はおいらが昔からなじみにしている店、日本海レストハウスで食べる事にしました。

このお店は駐車場がとてつもなく広くトラック野郎のたまり場でもありますので、味とボリュームは文句無しのお店だと自己満足して今までにも行く度も来ているわけです。
たら汁には白子がたっぷりと入っていて、たらもぶつ切りで入っている、そして鍋がアルミの年期の入った鍋でとても一人前とは思えない大きな鍋で食べるたら汁は最高。
他にご飯と、漬け物、そして何故かこれ又大きなカレイのフライがついて確か・・・・1300円だったと思う。
食後は畳の座敷でごろ寝が出来るのも嬉しい、ただお客が多いときは駄目ですが、ほとんどOKです。
もちろんほとんど不眠不休でここまで走って来たのでしっかりと1時間ほど全員が寝てしまいました。

目覚めると昼時で店も混み始めてきたので、店のおばちゃんに挨拶してふたたび今度は一気に糸魚川市を目差して出発する事になりました。
道路は左手に雄大な日本海を眺めての非常に車も少なく、出会う車はほとんどトラックばかりなのでたいがいは追いつけば左を開けてくれる優しい運ちゃんばかりなのでとても気持ちよく走る事が出来たのであります。
しばらくすると今度はトンネルがちょく、ちょくと現れてくるが整備が良いのでバイクで長いトンネルを走っても不安は無い、やがて親不知、子不知の名勝を左手に眺めながら又いくつものトンネルを抜けると視界が開けて来る、その先に糸魚川市がある。

ここまでの走行距離はおよそ400KMを越えた位ですか、本当に良く走った。

糸魚川市からは今度は新潟県直江津市を目差して海岸線を走るのですが所どころに漁村があり磯の香りがとても良い、又風情がありバイクもとばす事無くゆっくりと走りながら景色を楽しんでの走行でした。

バイクに乗ると風と、匂いがダイレクトに伝わりこれが又良いのです。

途中に日本海と漁村のコンビネーションが素晴らしい場所の防波堤でバイクを停めて休憩していて思ったことが、バイクは乗るためにあるのだがこんな景色の良い場所では置いてあるバイクがとても自然にとけ込んでいて何故か絵になっているのである。
思いにふけっていると初老の親父さんが我々に近寄って来て、兄さん達はどこからきたんねん!
と聞くや、間髪を入れずに自分の昔話を我々に聞かせてくれました、それは親父の若い頃にまだバイクが高価な乗り物だった頃にやはり友達と関西にツーリングした時の事を昨日のように鮮明に話してくれました、その時にバイクが故障して困り果てていた時に親切にしてもらった事を偉く喜び今もバイクを見ると思い出されるんだと、熱ぽく語ってくれたのでした。
今はバイクには乗っていないが漁船で毎日魚を捕っている、つまり漁師の親父でした。やがて話も終わると我々を自分の家に案内してくれて、美味しい魚料理を食べさせて頂きながら今度は漁師の話をしてくれたのですが、漁船が日本海の荒波を漁場へと猛スピードで駆け抜けるのがバイクで何処までも続く道を走り抜けるのと、何故か共通した思いが同じだと妙に感心しながらも親切な親父さんにお礼を言ってお腹をぱんぱんして又直江津目指して走り出しました。
やがて14時過ぎにとうとう直江津市に到着して驚いたのは、しばらく来ないうちに街も大きく変貌していた。
国道筋には大型店が色々と出来ていて、道路も広く拡張されていて妙高方面はバイバスが完成していて直江津からバイバスで新井市近くまで一気に走り抜ける事が出来ました。

しかし新潟県は本当に道路が良く整備されているのには以前から感心していましたが、さすがは・・・・・さんが総理大臣までなった県だけあると二度感心してしまいました。
そしていよいよ国道18号線とも別かれて妙高高原を野尻湖方面にバイクを走らせ、リゾートスキー場で有名なタングラムスキー場を通りこれよりいっきに斑尾高原へと山のアップダウンの道を右へ左へとバイクを倒しながら本日最後のウィニングランを全員が致しました。

斑尾高原までは一本道なのでそれぞれの技量に合ったスピードで各自が楽しみました。やがて本日の宿泊地に全員転けることなく元気に到着致しました。
時間は午後15時過ぎでしたがここまでは出発から16時間の長ーーい旅でしたが心地よい疲れと、眠気さが何よりも到着の嬉しさを倍増してくれました。

その夜は温泉に入り、美味しい夕食を食べて、寝不足ながらも夜遅くまでバイクの話に夢中になっていました。
そのころには、ななはん君もすっかりライダーとして立派に、たくましくなっていましたので又いつかはこのメンバーでツーリングしょうと誓い合って深い眠りに入りました。

最後まで読んで頂いて有難う。

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